アルテオン 試乗。 VW「アルテオン」に初試乗 興奮なし、プレミアム感もあと一歩

フラッグシップと思えないアルテオンのヤンチャな走り!S3と同じエンジンの味付けは?《走行性能編》

アルテオン 試乗

正統派の高級サルーンだということを黙って伝える 当初「R-Line系」のみの展開でスタートした『アルテオン』。 ところが最新のラインアップでは選択肢を広げるべく、「Elegance(エレガンス)」が新たに設定されている。 実車はグレード名のとおり、上品な佇まいが印象的だ。 「R-Line(Advance)」はスポーティ指向のルックスが持ち味で、凝ったデザインのフロントバンパーやリヤスポイラー、ダークグラファイトマット塗装のアルミホイールなど、見るからに精悍さをアピールする。 対してこちらのEleganceは、よりスリークな形状のフロントバンパーや、20インチとサイズ、デザインは共通ながらシルバー色に塗装されたホイールにより、基本は同じスタイリングの『アルテオン』にまた別の表情を与えている。 あるいは『パサート』の上位モデルとして、正統派の高級サルーンだということを黙って伝えてくる。 シート表皮のほか、クールなセンスのウッドパネルがインパネ、ドアトリムに貼り込まれ、ずいぶん落ち着いた感じ。 よく見るとステアリングホイールも別物で、センターパッドやリム部分の形状や、グロスブラックのスポーク部分などが専用だ。 また試乗車は「ラグジュアリーパッケージ」を装着していた。 このセットオプションで注目なのは、UVカットの電動スライディングルーフとともに搭載されるオーディオだ。 ハイエンドのホームオーディオでも名を馳すデンマークの「DYNAUDIO」社製プレミアムサウンドシステムがそれで、総出力700W、16チャンネル/11スピーカー(+サブウーファー)構成のこのシステムは、なかなか贅沢なものとなっている。 どのVW車よりも重厚、上質な走り 外観はクーペのようなシルエットだが、ルーフのピークは後方にある。 このため後席はゆったりと着座でき、さらに電動でバックドアを開ければ、ヨーロッパ車らしくワゴンにも匹敵する広大なラゲッジスペースが用意されているのも嬉しい。 走りっぷりはどのVW車よりも重厚、上質といったところ。 『パサート』の上をいく2835mmのホイールベースによりフラットな乗り心地を保ってくれるのも嬉しい。 搭載エンジンはR-Lineと共通で、280ps/35. 7kgmの性能を発揮する2リットルターボ+7速DSGで、4MOTION(フルタイム4WD)の組み合わせ。 選択可能な走行モードにかかわらずゆとりのあるボディを思いどおりに走らせてくれ、加減速、コーナリング時も安定感の高さが実感できるのもいい。 大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。 以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。 《島崎七生人》.

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VW アルテオンに試乗

アルテオン 試乗

Volkswagen Arteon コンパクトカーからミディアムサルーンまで幅広いラインアップを見せるフォルクスワーゲンが次なる一手としてリリースするのは、パサートよりもさらに上に位置づけされるプレミアム・グランツーリズモの「アルテオン」。 2017年春の発表時から期待されていたこの5ドアクーペに、ジャーナリストの大谷達也が試乗した。 今年のジュネーブショーで発表されたアルテオンはフォルクスワーゲンの新たなフラッグシップモデルだ。 5ドアクーペのスタイリングは緻密で、一分の隙もないプロポーションを描き出している。 そのベースとなったのが4ドアセダンのパサートであることはご想像のとおり。 ただし、デザインを細かく見ていくと、細部に至るまで大胆にモディファイされていることに気づく。 たとえばフロントグリルは、水平に伸びる2本の直線で挟まれた部分だけにすっきりとまとめられたパサートに対し、アルテオンには明快な境界線がなく、チンスポイラーに続く低い部分までグリルが伸びている。 ボンネットにしてもフェンダーとの境目が上面に現れているパサートと異なり、アルテオンではいわゆるクラムシェル風にフェンダーとの境界線がボディ側面に回り込んでいる。 ボンネット自体の高さがアルテオンのほうが低く見えるのは、アクシデント時に歩行者を保護するアクティブボンネットを採用していることと関係があるのかもしれない。 芸術的で流れるようなウインドウ・グラフィックス。 ボディサイドを見比べれば、その差はさらに際立つ。 独立したトランクルームが与えられて伝統的な3ボックススタイルを映し出すパサートに対して、アルテオンには芸術的で流れるようなウインドウ・グラフィックスが与えられており、その消失点をボディサイドに流れるショルダーラインの終端と完璧に調和させることで、自然で無駄のないリヤエンドを生み出している。 一般的にいって5ドアクーペのリヤエンドは造形がひどく難しく、三面図的な位置関係から眺めれば美しく見えても、少し立ち位置をずらすとたちまちデザインが破綻するモデルが少なくないが、アルテオンはどの角度から見ても立体的なバランスが崩れない。 デザイン上の完成度でこれに匹敵するのは、ドイツ・プレミアムブランドではアウディA5スポーツバックとA7スポーツバックくらいのものだろう。 ハードウェア面でもアルテオンとパサートは極めて近い関係にあり、どちらもMQBを採用。 ということは、すなわちエンジンは横置きで、ここがサイズ的にもキャラクター的にもよく似たアウディA5スポーツバックとの決定的な違いとなっている(MLBエボを採用するA5のエンジンは縦置き)。 日本仕様のエンジンは最高出力280psの2. 0TSI一本で、ギアボックスは7速DSG、駆動系はフルタイム4WDの4モーションとなる。 グレードはもっともスポーティなRラインのみ。 本国ではより幅広いエンジンバリエーションが揃うほか、FWDモデルも用意されるが、パサートとの差別化を図るという意味でこれは適切な判断かもしれない。 ここからさらにフランクフルトを目指す1000kmほどをアウトバーン中心に走行した。 その印象は、こちらも皆さんが想像されるとおり、いい意味でパサートとよく似たものだった。 ハンドリングは強いスタビリティ感に支えられたもので、どれほど速度を上げても不安を覚えることなく、矢のように突き進んでいく。 それでも不安定な動きを見せたり、「少しアクセルを緩めようか?」とドライバーに思わせるようなことは皆無。 4モーションの威力もあって、グランドツーリスモと呼ぶのにまさに相応しい直進安定性を示してくれた。 エンジンパワーも申し分がない。 しかも「フルスロットルだったら速い」とか「高回転域はパワフル」といった具合に特定の領域が得意なだけでなく、どこから踏んでもレスポンスよく、そしてフレキシブルにパワーを生み出す点は圧巻というしかなかった。 2日間、1000kmを共にして思ったこと。 乗り心地はフラット感の強い、これまたいかにもフォルクスワーゲンらしいもの。 おかげで長距離ドライブに伴う疲労感はごくわずかだったが、試乗車がRラインだったこともあり、ロードノイズは大きめで、タイヤがややばたつく傾向がなきにしもあらず。 静粛性や快適性だけに的を絞るなら、もう少しタイヤ・サイズを落としたほうが有利なはずだ。 室内スペースも十分以上に広い。 とりわけ後席では膝まわりに拳3つ分、頭上には拳半分ほどのスペースが残されていたが、これはいずれもパサートと同等か、それをやや凌ぐもの(身長172cmの筆者が前後に腰掛けた場合)。 全高はパサートよりもいくぶん低いが、パサートより後席のシートバックを微妙に寝かせたシートレイアウトによって実現されたものだろう。 2日間、1000kmをともに過ごして、やや物足りないと思ったのは前述の乗り心地/静粛性と、真面目一辺倒なインテリアに遊び心が感じられなかったことくらい。 もっとも、私にはいずれも決定的な欠点とは映らなかった。 日本市場で成功するには……。 では、アルテオンは日本でも人気を博すだろうか? 私は、この点に軽い不安を覚えなくもない。 そもそもDセグメントの5ドアクーペというマーケット自体が日本ではあまり大きくない。 そこにアウディA5スポーツバック、BMW3シリーズGT、BMW4シリーズ・グランクーペといったライバルたちがすでに覇を競いあっている。 デザインの完成度、そして実用性と価格のバランス(日本仕様のアルテオンは550万円程度の見通し)を考えればアルテオンにも勝機はあるが、それでも心配なのがフォルクスワーゲンというブランド性だ。 コンパクトな実用車では圧倒的なブランド力を誇る同社だが、ラグジュアリーなスポーツクーペとなると話は違ってくる。 まして相手がアウディやBMWとなれば、フォルクスワーゲンが優位に立つのは容易ではないだろう。 それでは、どうすればいいのか? やや奇策ながら、このセグメントにおけるフォルクスワーゲンの匿名性を逆手に使ってはどうか? ひと目見ただけではどのブランドかわからないかもしれないが、デザインは美しく、使い勝手はバツグンに優れていて、パフォーマンスにも文句はない。 そんな、普通であれば目利きにしかわからないクルマの価値をうまくアピールできれば、アルテオンが日本市場で一定の評価を得ることも十分に可能だと思う。 パサートと同様のコクピット。 センターの9. 2インチモニターは、手の動きで反応するジェスチャーコントロールを採用。 もちろん、ACCやレーンキープアシスト、渋滞時追従支援システムなど先進の予防安全技術も装備する。 日本に導入されるのは、280psを発揮する直列4気筒ターボエンジンのみ。 これに7速DSGを組み合わせ4WDで駆動する。

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【試乗:VW アルテオン〜後編】コスパだけじゃない。走行性能や快適性、その実力は相当なものだ

アルテオン 試乗

コンパクトカーからミディアムセダンまで幅広いラインアップを持つフォルクスワーゲン(以下VW)は、世界の主要自動車メーカーからベンチマークにされる存在だが、どのカテゴリーも質実剛健で王道的なモデルが多く、たまに新ジャンルに挑戦しても、残念ながら大成した例は非常に少ない。 その一つが2002年に登場したVW初のラグジュアリーサルーン「フェートン」だ。 当時の高級車路線戦略の一環として開発され、専用工場まで建設するほど気合が入っていたが、ドイツの国民車ブランドでありながらも一般庶民に手が届くクルマではなかったことや、VWのイメージとそぐわないことから発売当初より苦戦し、一度もフルモデルチェンジされることなく生産終了。 ちなみに現在は、事実上の後継車である「フィデオン(Phideon)」が存在するものの、これは中国専用車である。 では、世界戦略車としてのフラッグシップはと言うと、今年のジュネーブショーで世界初公開された「アルテオン(Arteon)」である。 車名は「Art」と「eon」の造語。 ちなみに今後のVWの上級モデルには「eon」が付いたネーミングが与えられるそうだが、アルテオンは「アート」な「上級車」と言うわけである。 その名の通り、エクステリアは昨今多くのプレミアムブランドがラインアップするスポーティで流麗な4ドアクーペスタイルを採用。 フロントマスクはグリルに水平に伸びるバーとヘッドライトがシームレスに繋がる新VWデザイン、よりパキッとしたプレスラインと抑揚が強いボリューム感あるフェンダー周り、曲線的なリア周り、更には20インチホイールの採用と、どこを取ってもデザインコンシャスに見えるが、実はリアゲートを備える5ドアハッチバック(VWではファストバックと呼ぶ)。 つまりカッコいいけど実用性は損なわれていない……である。 ボディカラーには、多彩なバリエーションが用意されるが、お勧めはやはりイメージカラーの「ターメリックイエロー」だ。 個人的にも無難に白/黒/シルバーを選ぶなら、他のクルマを選らんだほうがいいと思うくらいである。 インテリアはエクステリアほど攻めておらず、インパネ周りはパサートとほぼ同じデザインを採用。 逆に長時間いる場所は奇を狙わずシンプルなほうが疲れない。 ブラック/チタンブラックのナパレザーシートやデジタルメータークラスター(アドバンスのみ)、ジェスチャーコントロールが可能な純正インフォテイメントシステム「ディスカバー・プロ」などフル装備。 フロントシートが特等席かと思いきや、後席もロングホイールベースを活かした広々としたレッグスペースや、クーペスタイルながら必要十分なヘッドクリアランスを確保する(アドバンスにオプション設定のサンルーフはアウタースライド式を採用)。 更にラゲッジスペースは約536リットル(後席を畳むと1,557リットル)で、テールゲートはハンズフリー式パワーテールゲート付と、見た目に似合わず下手なステーションワゴン顔負けの利便性も備えているのだ。

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