空 飛ぶ タイヤ モデル。 空飛ぶタイヤの実話は横浜?映画のロケ地との違いは?

空飛ぶタイヤが映画化でモデルは三菱自動車だが実話との違いとは?

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走行していたトレーラーの巨大なタイヤが突然脱輪、その大きなタイヤは意思を持ったかのようにあらぬ方向へ転がっていきました。 二人の母娘がタイヤに巻き込まれ、娘は軽傷で済んだのですが、母親は病院に運ばれそのまま帰らぬ人となりました。 赤松運送の2代目社長である「赤松徳郎(あかまつとくろう)」は、トラック死亡事故の責任を負わされてしまいます。 しかしトラックの整備は万全であり、会社はただの一度も点検に手を抜いたことがありませんでした。 しかしトラックの販売元である「ホープ自動車」は責任の全てを運送会社に押し付け、素知らぬ顔で事なきを得ようとします。 社長である赤松はどうしても脱輪事故に納得がいかず、独自で調査を開始。 するとおどろくべき事実が判明するのでした。 本作は上下巻合わせておよそ800ページにも渡る物語ですが、読んだ人が口を揃えていうのが「あっという間に読めた」「時間を忘れて一気に読めた」ということです。 話は複雑に転がっていくのですが、テンポがよく、そしてほどよく解説が入っているので普段小説を読まないようなひとでも楽しめますし、小説をよく読むひとでも十分満足できるような読み応えのある内容となっています。 さて、タイトルにもありましたが一部関係者の反感を買っているという本作。 すでにお分かりの方もいるかと思いますが、自動車会社の一部の幹部クラスの人たちですね。 一部関係者たちが本作を読んで、まさに件の自動車会社と、本作に登場するホープ自動車の企業体制がほぼそのままに書かれていると述べています。 読むとわかると思うのですが、このホープ自動車の幹部たちはとにかくエリート思考が強く、自分たちは特別だと思い込んでいる人たちであふれているんですよね。 運送会社の社長である赤松が、もう一度整備体制に不備はなかったかどうか確認させてくれ、と頼んでも、まったくといって取り合ってもらえず「それで消費者が納得するのか」と赤松が投げかけても「こちらもお客様を選ぶ権利がある」と完全に上から目線での返答をするのでした。 その言葉を聞いた赤松は愕然とし「こいつらはタイヤ外れる前に、だいじな部品が外れている」と心中思うのでした。 自動車の燃費メーターの改ざんが話題になったと思うのですが、この小説を読むとその辺の顛末がさらに詳しく語られており、これも結局は幹部や上層部に人間たちの欺瞞やちっぽけな虚栄心が生み出した結果であることがよくわかります。 自動車業界の幹部クラスの人たちが冷や汗をかくのは、こういうところを鋭く突き刺すような描写がいくつもあるからでしょう。 しかしそういう、後ろ指をさされるべき人間はごく一部の上層部であり、その下で働いている人たちはそういったことも知らされず日々、製造ラインを動かしています。 そういう描写もしっかり書かれているので、ホープ自動車イコール「悪」という見方も一概にはできないところが、やはり池井戸潤の物語の書き方がうまいところです。 下請けや製造ラインで働いているひとたちには何の罪はなく、むしろ彼らは日々の仕事を懸命にこなしているわけです。 そういう人たちにもスポットを当てることによって上層部の腐敗がさらに際立つという構成になっているのです。 ほかにもいろんな場面で「ホープ自動車」の上層部がいかに腐っているかが書かれており、上巻ではそのホープ自動車の悪行を調べあげるところで終了します。 次々と管理体制の杜撰さやデーターの改ざんが見つかっていくのですが、その隠蔽の仕方も非常に巧妙であり、まさに法の抜け穴を利用した悪質極まりない工作はもはや見事としか言い表せません。 いかに腐敗した管理体制であることが嫌というほどわかったところで、物語は「反撃」ということで下巻へ続くのでした。 作者の池井戸潤は本作を「これほど怒りに駆られて書いた作品はない」と語っているように、いかに『空飛ぶタイヤ』が怒りに溢れているかがわかります。 氏は小説を通して「消費者の気持ちを理解しない、自分たちのことばかり考えている企業にはたして本当に価値はあるのか」と問い続けるのでした。 企業の悪質な隠蔽も、そもそもが経営陣や幹部たちのちっぽけなプライドから始まっています。 彼らはなにか不具合やアクシデントがあったときにそれを改善するのではなく「なかったこと」として扱い、ハナからそんなものはなかったと開き直り、反省する素振りも見せません。 作中で登場する「T会議」という秘密の会議があり、ここでは最高幹部たちや取締役が集まり、リコールの隠蔽工作の算段や生産の効率のみを考えた話し合いが行われていました。 この会議も単なる小説上での創作ではなく、じっさいにそういう会議が存在していたことが元幹部の内部告発で発覚しています。 どのようにしたら売上が上がるのか、またどのようにすれば不正を隠蔽できるのか、ということが話し合われていた「T会議」が本当に存在したという事実は、それを知って読むのと知らないで読むのでは、ストーリーの重さがまったく違うものになるでしょう。 もし未読の方がしましたら「T会議」のくだりはこの記事を思い出して読んでみるとより一層リアリティが増すかもしれません。 企業の悪習が不正を呼び、不正が人を腐敗し堕落させ、それがまわりまわって関係ないひとたちの命を落としてしまいます。 それを考えたときにこの小説は書かれるべくして書かれた小説であるといえるでしょう。 池井戸潤は「いちばん迷惑しているのは世の中だ」とあとがきで述べています。 この言葉からも、氏がいかに怒っているかがわかるかと思います。 以上のことから今作はかなり踏み込んだ内容であることがわかります。 非常に生々しく、登場する人物のなかにはかなり不快な印象を与えてくる人間もいます。 しかしそれは氏が、生きた声を小説に吸い上げ見事に再現した結果だといえるでしょう。 今作の魅力はまさに徹底した細部にあるといえるかもしれませんね。 池井戸潤の作品のなかでも、抜群に導入がわかりやすく没入感があるとされているのが『空飛ぶタイヤ』といわれています。 未読の方はぜひ、たっぷり時間をとって本作を楽しんでほしいと思います。 池井戸潤が書く登場人物の言葉は、つねに一歩先をいっており独特の深みがあります。 「売れている小説家の作品」だから読むのではなくあなたが今なにを求めているか、どういう話を読みたいのかを考えて小説を選ぶといいでしょう。 もし「本を読んだ時の満足感を得たい」「面白い話が読みたい」「けど難しい会話はちょっと」と思っている人がいたらまさに今作はうってつけといえるでしょう。

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空飛ぶタイヤ(映画)の実話や小説との違いとキャストは?

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空飛ぶタイヤの事件のモデル 物語冒頭の事故 物語冒頭の事故は2002年の 「横浜母子3名死傷事故」がモデルです。 綾瀬市の運送会社が三菱ふそう製のトレーラーを運転していた際、突如タイヤが外れ、道を歩いていた親子3人に直撃、母親の方が亡くなりました。 この事故は作品タイトルの由来にもなっています。 当時は、三菱自動車工業は運送会社側の整備不足として、自社の非を認めませんでした。 それによって、責任を問われた運送業者は、世間の批判の対象となり 家に「人殺し」などといった罵言が書かれた張り紙や、無言電話がかかってくるなど、家族にも苦難が降りかかりました。 汚名を着せられた配送業者は 最終的には 廃業に追い込まれています。 リコール隠しの真相 本作のテーマでもある「大手企業の不祥事もみ消し」事件は 2004年に起こった 「三菱リコール隠し事件」がモデルとなっています。 リコールを簡単に説明しますと、購入した商品が不良品だった場合に、販売元に無料で修理をしてもらえる制度です。 欠陥品が市場に出回っているわけですから、事故でも起きたら大事になってしまいますよね? そのため、一般的には 販売元が自主的に欠陥品であったことを公表し、無料で改修作業に取り掛かる必要があります。 しかし、 自社の品位が落ちることを危惧した三菱自動車はそれを隠蔽した、というわけです。 上記の 「横浜母子3名死傷事故」に対して、三菱自動車のタイヤの不良品である疑いがかけられたものの 三菱自動車工業は運送会社側の整備不足として、自社の非を認めませんでした。 実に2002年~2004年の2年間、三菱自動車の不良品は隠蔽されており 被害者が続出したことで、ついにその真相が暴かれることになりました。 結局、有罪判決は降りたものの、三菱自動車は存命です。 世間は 三菱自動車が持つ影響力を捨てきれなかったという訳ですね。 過去のリコール隠し 実は、三菱自動車は2000年にもリコール隠蔽事件を引き起こしています。 この事件でも、不良品の出荷によるリコールを社内で隠蔽しており 内部告発によって、その違法な行為が明るみにでました。 それに懲りず、本作で取り上げられたリコール隠し事件を再度起こしたというわけです。 こちらの方が自社の品位を落とす行為だと思いますね^^; その他の事件 また、報告があった事件は 「横浜母子3名死傷事故」だけではなく、おそろしい死亡事故がもう1件起きています。 「山口トラック運転手死亡事故」と呼ばれるこの事件では ブレーキの不調によって男性が運転するトラックが建物に激突し、運転手の男性が死亡しました。 他にも、 74万台以上のリコール隠しが発覚しており、その品質の悪さによる被害者は明らかになっていないだけでも多数います。 事件の背景 これだけ書くと、酷い事件であり 運送業者が可愛そうに思えてしまうかもしれません。 実際、三菱自動車が行ったことは許されざる行為ですが みなさんは、事件が起こった時、 名前も知らない運送業者と三菱自動車、どちらを信用しますか? それが、この本で池井戸先生が伝えたかった 集団心理の恐ろしさなのではないかと、個人的には思っています。 まとめ• モデルとなった事件は三菱自動車のリコール隠し事件• 実話の真相は作品よりも酷い 以上、『空飛ぶタイヤ』のモデルとなった事件についてのまとめでした。 非常にメッセージ性溢れる作品となっているので、是非原作も読んでみてください! 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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【ネタバレ】映画『空飛ぶタイヤ』のモデルとなった事故や原作と比較解説。ドラマではなく映画となった理由とは

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【監督】本木克英 【脚本】林民夫 【プロデューサー】吉田繁暁 【原作】池井戸潤 【キャスト】 ・長瀬智也 ・ディーン・フジオカ ・高橋一生 ・寺脇康文 ・小池栄子 ・ムロツヨシ 運送会社が引き起こした トレーラーの脱輪事故。 運送会社の社長はその原因が整備不良ではなく、車両の欠陥であることに気づいていた。 製造元に調査を依頼する頃、また一人、事故に疑問を抱く人物がいた。 製造会社のグループ会社である、 銀行の本店営業本部。 グループ会社の経営方針に疑問を抱いていた。 それぞれが突き止めた結末。 真相は・・・。 原作の空飛ぶタイヤについて 【BE・LOVE7号発売中!】「空飛ぶタイヤ」原作 池井戸 潤、漫画 大谷紀子 第7話掲載!! 将棋の駒には動き方のルールがある。 だけどな、小牧。 会社にはそんなものはない。 何しろ相手は人間だ。 飛車が斜めに走り出すことだってあるんだぜ。 2009年にWowowでドラマ化されていますが、 2018年6月15日(金)ファン待望の映画公開!! 池井戸潤さんにとって、 初の原作映画化となる記念の作品です。 実話との違いは? 空飛ぶタイヤは、実話に基づいて書かれています。 と結果付けられますが、実際は車両の構造に問題があり、 同じ型の車両で同じような事故が起こる可能性があり、リコールをしなくてはいけません。 実際にも、この原作でも、メーカー側は整備不良と位置付け、 車両のリコールを隠蔽しています。 隠ぺい体質は変わらない? 三菱自動車、過去の不祥事を振り返る — THE PAGE 三菱自動車は4月20日、同社の軽自動車に関する燃費データを改ざんしていた事実を明らかにしました。 実は同社は、2000年と2004年にもリコールに… — ブロサーフ blosurf 実話にほぼ近いかたちでの、原作となっているようなので、 当時連日ニュースで取り上げられていたリコール隠しの真相を知る、 疑似体験ができるかもしれません。

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