セクシュアル ハラスメント 定義。 職場におけるセクシュアルハラスメントとは

セクシュアルハラスメント問題について弁護士が解説

セクシュアル ハラスメント 定義

家政婦的業務に従事していた女性労働者が、 抱きつかれたり性的交渉を求められる等のセクハラを受けたとして、 損害賠償請求をしたが、 セクハラの定義とはどのようなものなのでしょうか。 【事件の概要】 Xは、Y1会社の代表取締役であるY2の下で家政婦として働いています。 Y2は、Xにしつこく性交渉を迫り、日常的に性的言動を行っていました。 これに対し、Xが明確に拒絶したところ、 Y2がXに仕事の仕方を注意したことなどから、互いに不信感を募らせていきました。 その後、Xの行動についてY2が非難したところ、 Xが反抗的な態度を取ったため、Y2は激怒してXの顔を殴りました。 Y1に明確な規定はなかったものの、Y1のほかの従業員に対しては、 ボーナスが支給されていたことから、 Xはボーナスの支給を求めて Y2に抗議を繰り返しました。 Y2が解雇予告手当を提示してXを解雇しました。 そこで、Xは、上記の性交渉拒否や性的言動に対する嫌がらせと解雇は違法であるとして、 Y1とY2に対して損害賠償を求めて争いました。 スポンサーリンク 【判決の概要】 Y2は、Xを雇用して間もなく、自己が雇い主の立場にあることを奇貨として、 離婚して当時一人身であったXに、妻に逃げられた不遇の身をかこつような言動をし、 2月2日夜、Aと3人で飲食した際、 Y2の卑猥な言葉にもXが嫌がる風なく大胆に応じたことに気を許し、 以後、Y2宅で家政婦として勤務中、 あるいは勤務時間後のXに対し、性的な言動を平気で行い、 大胆にもXの胸を触ろうとしたり、首筋に口を寄せるなどし、 挙げ句には性交渉を迫り、3月27日には「お金をあげるから」と言って、 いきなりスラックスを下着ごとずらせる猥褻行為に出、 以後も、4月上旬に「社長のしていることはセクハラである」と抗議されるまで、 右性的な言動を繰り返したことが明らかです。 ところで、職場において、男性の上司が部下の女性に対し、 その地位を利用して、女性の意に反する性的言動に出た場合、 これがすべて違法と評価されるものではなく、 その行為の態様、行為者である男性の職務上の地位、年齢、 被害女性の年齢、婚姻歴の有無、両者のそれまでの関係、 当該言動の行われた場所、その言動の反復・継続性、被害女性の対応等を総合的にみて、 それが社会的見地から不相当とされる程度のものである場合には、 性的自由ないし性的自己決定権等の人格権を侵害するものとして、 違法となるというべきです。 これを本件についてみると、 前記一1ないし3で認定したY2及びXの年齢、経歴、婚姻歴等に、 右性的言動の行われた場所、Xの対応等からすると、 3月27日の強制猥褻行為はそれ自体違法である上、 その前後の2月3日以後4月上旬までのY2のXに対する言動は、 社会的見地から不相当とされる程度のものと認められ、 Xの人格の尊厳性を損なうものであることが明らかであるから違法というべきです。 また、8月7日の殴打は理由が何であれ、 それ自体違法な行為であることは明らかです。 〔中略〕 前記認定の事実からすると、Y1は、9月14日にXを解雇したものと認められるところ、 最も雇い主との人的な信頼関係が要求される家政婦の職務内容、 元はと言えばY2の違法な言動が原因しているとはいえ、 Y2のした指示が、すべてセクシュアル・ハラスメントであるとして、 口頭及び文書で執拗に抗議する態度からして、 9月上旬時点で、両者の信頼関係は完全に損なわれるに至っていること及びXの家政婦としての能力に疑問の点があることからすれば、 同月14日付でしたY1のXに対する普通解雇の意思表示が、 使用者に認められた解雇の権利を濫用した違法なものとは認めることはできません。 【まとめ】 職場において、男性の上司が部下の女性に対し、 その地位を利用して、女性の意に反する性的言動に出た場合、 これがすべて違法と評価されるものではなく、 その行為の態様、行為者である男性の職務上の地位、年齢、 被害女性の年齢、婚姻歴の有無、両者のそれまでの関係、 当該言動の行われた場所、その言動の反復・継続性、被害女性の対応等を総合的にみて、 それが社会的見地から不相当とされる程度のものである場合には、 性的自由ないし性的自己決定権等の人格権を侵害するものとして、 違法となります。

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セクハラ

セクシュアル ハラスメント 定義

セクハラとは、「相手の意思に反して、不快感を与えたり不安な状態に追いこむ性的な言動や行為」のことをいいますが、セクハラは、大きく2つの類型に分類されます。 ひとつが「対価型セクハラ」、もうひとつが「環境型セクハラ」です。 「環境型セクハラ」はさらに3つの類型に分類されます。 ここでは、セクハラの定義や種類についてご紹介します。 セクハラ(セクシャル・ハラスメント)とは セクハラとは、「相手の意思に反して、不快感を与えたり不安な状態に追いこむ性的な言動や行為」のことをいいます。 男女雇用機会均等法第11条1項では、事業主(会社)には、セクハラ防止のための必要措置をとらなければならないことが義務づけられていると規定しています。 【男女雇用機会均等法第11条1項】 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により、当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、または当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることが内容、当該労働者からの相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他雇用管理上必要な措置を講じなければならない。 セクハラの種類 前述したとおりセクハラは大きく「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」の2つの類型に分類されます。 1 対価型セクハラ 「対価型セクハラ」とは、たとえば職場で上司が部下に「愛人になれ」などと性的関係を迫り、それを拒否されたり抗議を受けたりした腹いせに、解雇や降格、減給されるなど、拒否したり抗議をした労働者が労働条件のうえで不利益を受けるセクハラのことをいいます。 2 環境型セクハラ 「環境型セクハラ」とは、性的な言動や行為のせいで、就業環境が悪化することです。 たとえば「ヌードのカレンダーを飾る」「上司が身体を触る」「職場で下ネタを大声で話す」などの行為を苦痛に感じたために労働者の就業意欲が低下し、就業環境が悪化するなどは、この環境型セクハラの典型例です。 環境型セクハラは3種類ある 前述したとおり環境型セクハラとは、性的な言動や行為のせいで、就業環境が悪化するタイプのセクハラのことをいいますが、この環境型セクハラはさらに「視覚型セクハラ」「発言型セクハラ」「身体接触型セクハラ」に分類されます。 1 視覚型セクハラ 視覚型セクハラとは、文字どおり主に視覚に訴える型のセクハラです。 労働者が再三にわたり抗議をしているにも関わらず、ヌードポスターや水着のポスターを事業所内に掲示し、抗議をした労働者がそれを苦痛に感じて業務に専念できない環境となるのは、視覚型セクハラに当たります。 2 発言型セクハラ 発言型セクハラは、言動による型のセクハラです。 彼氏・彼女がいないか、しつこく質問したり、食事やデートにしつこく誘う行為は、発言型セクハラに当たります。 注意しなければならないのは、「髪の毛がきれいだね」とか「スタイルがいいね」など、褒める言動も発言型セクハラに当たる場合がある、ということです。 好きでもない人に髪の毛やスタイルを褒められても、嬉しくない場合がほとんどだからです。 また、本人に直接性的なことを言う場合だけでなく「不倫をしている」などの噂を流すのも、この発言型セクハラに当たります。 3 身体接触型セクハラ 身体接触型セクハラとは、不必要に肩、胸、太ももなどを触ったりするなど、身体に接触する型のセクハラのことです。 初めからわいせつな目的で触る場合はもちろんですが、加害者にはセクハラの意識がなく軽いスキンシップのつもりで触ったとして、それが被害者にとって不快な行為だったとすれば、それは身体接触型セクハラに当たります。 セクハラの種類別の過去の裁判 これまで述べてきたように、セクハラにはいくつかのタイプがあります。 ここでは、それぞれのタイプ別に過去の裁判例をご紹介します。 1 対価型セクハラの裁判 対価型セクハラの裁判として有名なのが、「岡山セクハラ(労働者派遣会社)事件」です。 「岡山セクハラ(労働者派遣会社)事件」の概要 (岡山地裁 平成14年5月15日判決) 【被告】専務取締役営業部長C、派遣会社D、代表取締役E 【原告】女性支店長A、女性支店長B 【行為】 被告は、原告である女性支店長Aに対して後継者の地位をちらつかせながら、肉体関係を迫る等の行為を行った。 また、原告である女性支店長Bに対しては、原告Aと性的関係を持つために協力するように求めた。 原告A、Bはこれらを子拒否し、会社にこれらの行為を訴えた。 しかし役員会が開かれたが事実が確認できないと結論され、原告と被告について降格、減給の処分が決定されたうえ、原告らは、組織ルールを逸脱した行動によって社内を混乱させたとして支店長職を解任され、一般社員に降格となった。 そのため、月給は大幅に下がった。 さらに被告も降格となったが、被告は降格されたあと、自分のセクハラ行為を否定して、原告らを淫乱であると触れ回った。 この岡山セクハラ(労働者派遣会社)事件では、原告Aに対する行為は、上司としての立場を利用して肉体関係を持つためになされた行為であると認定されました。 また被告は、虚偽の性的内容の風評を流して、原告の女性らの職場環境を悪化させただけでなく、職場復帰も不可能にさせたとして、不法行為に当たると判断されました。 判決では、被告は原告Aへの慰謝料等として220万円、原告Bへの慰謝料等として33万円を専務取締役営業部長C、派遣会社D連帯して支払うよう命じたほか、派遣会社Dに対しては、専務取締役営業部長Cと連帯して、会社の固有の不法行為による慰謝料として、原告A、Bに対してそれぞれ各50万円の支払いを命じました。 またさらに、未払い給与相当損害金と退職後1年間の逸失利益、弁護士費用等の支払い(3000万円)を命じました。 2 環境型セクハラの裁判 「環境型セクハラ」のうち性的な発言(発言型セクハラ)と認定された裁判例としては「和歌山セクハラ(青果卸売業)事件」があります。 「和歌山セクハラ(青果卸売業)事件」の概要 (和歌山地裁 平成10年3月11日判決) 会社の役員4名は、被害者である女性正社員に向かって「おばん」「ばばあ」「くそばば」などと呼び、性的に露骨な表現でからかった。 この和歌山セクハラ(青果卸売業)事件では、「おばん」という言葉自体が侮辱的な言動であると認定され、さらに「ばばあ」「くそばば」という呼び方に至っては侮辱的どころか、卑しめる言動であると判断されました。 これらの言動は、女性被害者に強い不快感、屈辱感、羞恥心の感情を与えるもので、職場環境を悪化させるものと判断されて、会社の役員4名に対して慰謝料100万円の支払いを命じました。 判例でのセクハラ賠償額は、900万円、1100万円など年々高額化する傾向が見られていて、2014年11月には、かつら製造・販売の最大手「アデランス」同社が、セクハラを訴えた女性従業員に対して、解決金1300万円を支払うなどの内容で和解していた事例もあります。 まとめ セクハラの悩みを「人に相談するのは恥ずかしい」と思われる方もいらっしゃるようです。 しかし恥ずべきは加害者であって、被害者ではなりません。 悩みをひとりで抱え込まずに、まぜひ勇気を出して弁護士に相談することをおすすめします。

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ハラスメントの定義|ハラスメント基本情報|あかるい職場応援団

セクシュアル ハラスメント 定義

セクハラ セクハラ・パワハラ対策・問題解決 の全般については 今では広く認知されている「セクハラ」,「セクシュアル・ハラスメント」という言葉ですが,「相手方の意に反する性的言動」と定義されることが一般的です(人事院がこのような定義を用いています。 セクハラには様々なものが存在し,上司が女性労働者に対して,出世や昇級を見返りに性的関係を要求する(性交渉を求めるだけではなく,胸や尻を触る,恋人関係を求めるといったことも含まれます。 )といった 直接的なものから,女性労働者が嫌がるような性的画像を見せる(ヌード写真はもちろん,アイドルの水着写真なども含まれる可能性があります。 ),性的な会話をする(露骨なものだけではなく,過去の交際歴を尋ねることも含まれます。 )といった 間接的なものまで含まれます。 セクハラは,性差別であるだけではなく,本質的には労働者の人格権という人間にとってかけがえのない権利を侵害する行為であり,許されるものではありません。 男女雇用機会均等法は,職場において女性労働者がセクハラによる被害に合わないよう, 経営者には必要な措置をとる義務があると定めています(同法11条1項)。 この規定から直接, 必要な措置をとるよう請求されたり,損害賠償を求められたりすることはないものの,社内のセクハラを放置し続ければ, 厚生労働大臣の行政指導(同法29条)や企業名の公表(同法30条)にいたることもあり,無視できるものではありません。 セクハラに対して世間が敏感になっている昨今,企業名を公表されるのはレピュテーション・リスクの観点から見て致命傷にならないとも限りません。 また,セクハラをした労働者は不法行為責任(民法709条)を負い,慰謝料等の損害賠償責任を負いますが,その際,企業がセクハラを防ぐ必要な措置を取っていなかったと裁判所に評価された場合,企業も損害賠償責任を負うことがあります。 これを使用者責任と呼びます(民法715条)。

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